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医療法人社団高和会 元住吉クリニック
神奈川県川崎市中原区木月2-12-18

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脂質異常症とは?~あなたの健康を守るために~

脂質異常症は、自覚症状がないまま進行するサイレントキラーです

「脂質異常症」という言葉を聞いたことがありますか?これは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質のバランスが崩れてしまう状態を指します。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、悪玉(LDL)コレステロールが高いだけでなく、善玉(HDL)コレステロールが低い場合も問題となるため、「脂質異常症」という名称に変わりました。

脂質は私たちの体にとって必要不可欠なエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料にもなります。しかし、そのバランスが崩れると、健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

なぜ脂質異常症が問題なの?~動脈硬化との深い関係~

脂質異常症の最も大きな問題は、動脈硬化を進行させることです。

動脈硬化とは、傷ついた血管の壁に脂質が入り込み、血管が硬くなったり、狭くなったりする状態を指します。初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし、進行すると、以下のような深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。

  • 狭心症・心筋梗塞:心臓の血管が狭まったり詰まったりすることで起こります。
  • 脳梗塞・脳出血:脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こります。
  • 閉塞性動脈硬化症:足などの血管が狭まったり詰まったりすることで、痛みやしびれが生じます。

これらの病気は、命にかかわるだけでなく、後遺症を残す可能性もあります。

脂質異常症の原因は?

脂質異常症の原因は様々ですが、主に以下のものが挙げられます。

  • 生活習慣

    食生活:動物性脂肪やコレステロールの摂りすぎ、食物繊維不足
    運動不足
    肥満
    喫煙
    過度の飲酒
    ストレス

  • 遺伝的要因:体質的に脂質の値が高くなりやすい方もいらっしゃいます。
  • 他の病気の影響:甲状腺機能低下症や腎臓病、糖尿病などが原因となることもあります。
  • 薬剤の影響:一部の薬の副作用で脂質の値が上昇することもあります。

脂質異常症の診断と検査

脂質異常症は、血液検査で診断されます。具体的には、以下の項目を測定します。

  • 総コレステロール
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール):基準値を超えると動脈硬化のリスクが高まります。
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール):基準値を下回ると動脈硬化のリスクが高まります。
  • 中性脂肪(トリグリセライド):高すぎると膵炎のリスクや動脈硬化のリスクが高まります。

これらの値は、年齢や性別、他の病気の有無によって目標値が異なります。健康診断などで異常を指摘された場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。

脂質異常症の改善・治療について

脂質異常症の改善・治療の基本は、生活習慣の改善です。

  • 食生活の見直し

    飽和脂肪酸(肉の脂身、バターなど)やコレステロール(卵黄、魚卵など)の摂取を控える
    食物繊維を多く含む野菜、海藻、きのこなどを積極的に摂る
    魚(特に青魚)や大豆製品をバランスよく取り入れる
    加工食品や清涼飲料水の摂りすぎに注意する

  • 適度な運動:有酸素運動を中心に、毎日少しずつでも体を動かす習慣をつけましょう。
  • 適正体重の維持:肥満を解消することで、脂質の値を改善できます。
  • 禁煙・節酒:喫煙は動脈硬化を促進し、過度な飲酒は中性脂肪を増加させます。

生活習慣の改善だけでは目標値に達しない場合や、動脈硬化が進行している場合には、医師の判断で薬物療法が検討されます。薬は、脂質の合成を抑えたり、排出を促したりすることで、脂質の値をコントロールします。

あなたの健康のために、今すぐ始められること

脂質異常症は、早期に発見し、適切な対策を行うことで、深刻な病気を防ぐことができる病気です。

自覚症状がないからといって放置せず、年に一度は健康診断を受け、ご自身の脂質の値を確認しましょう。もし異常を指摘された場合は、専門医にご相談ください。

当院では、患者様一人ひとりの状態や生活習慣に合わせたきめ細やかなアドバイスと治療を提供しています。ご自身の健康に不安を感じたら、お気軽にご相談ください。